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■ 田舎穀屋のひとりごと ■ 平成23年梅雨期
これが最後か、朝鮮ビエの製粉
しばらく欠品となっていました「朝鮮ビエ粉」、ようやく製品となりました。
昨年秋に収穫・天日干しと脱穀を終えたところで時間切れ。
梅雨の晴れ間を利用して、還流式精米機で鬼皮(外皮)を取り、屋外に設置した業務用シンクを利用して、表面の泥や砂粒を分ける。
昔からイナゲまたはユナゲと呼ばれる方法で、砂金採りみたいなもんです。
泥は水に溶けて流れる、砂粒は水より重いため沈む、それに比べ、朝鮮ビエの粒は水より重いため沈む、たったそれだけの単純な原理です。 ン?
簡単な作業とお思いでしょうが、これがイヤ・イヤ・イヤ・・・・高度な技術。今どきこれができるのは、余程の田舎人間だけです。
洗い終わったら天日干し。梅雨の真っ最中に一連の作業ができたのは、正に穀物の神様からのプレゼントか。感謝。
カリカリに干しあがったらようやく製粉機の出番。粉になっていよいよ完成!は、まだまだ。篩い機で未製粉の粒などを除去して、いよいよ完成!まだ早い。
すぐに袋詰めしたいところですが、この時期の製粉は熱を持ちやすいため解熱剤を・・・使いません。
冷蔵室で一定温度まで下げてようやくパック作業。という工程です。
ところで、なぜ朝鮮ビエは洗わなければいけないか。
この雑穀が山間地の救荒作物として重用されたのは敗戦後の数年間。私はまだ現世のモノではありませんでしたが、昭和期のなかで最も食料不足の時代だったようです。
場所を選ばずどこでも育つ。手間をかければコメ・アワ・ヒエ・サツマイモの収穫前に食べることができる。
ただし、この穀物はある時期になるとわずかな風雨で、一斉に倒れるのです。しかも方向はバラバラ、地面にべったり。当然のように泥や砂が穂にこびりつく。
それでも、とにかく食べられれば良い。たとえ砂をジャリと噛もうが、鬼皮の粉で喉がイガイガしようが。
今は何につけてもクレイマー、クレイマーの時代。
朝鮮ビエを商品として世に出すための困難さは、他の雑穀類の比では有りません。
過去に、朝鮮ビエで地域おこしを考えた農業者団体などから、このような依頼の申し入れを受けたことがあります。
行政の音頭取りで総力をあげて朝鮮ビエを栽培し、収穫・乾燥まではできたが、その後が何ともならない。この後の作業を委託できないか。
別の地域では、同じく朝鮮ビエを地域特産品として商品化を図り、試作品もできた。ところが、いざ栽培してみると手間ばかりかかって、とてもやってられない。
庄村さん・・代わりに作ってウチへ送って。 エェェ・・・!(言葉には出しませんが)
朝鮮ビエは山間地の常民の生命をつないだ貴重な穀物。
ただし、育てることだけは簡単ですが、その後の作業はたいへん厄介な穀物です。
私自信も今後、商品用に朝鮮ビエを栽培する予定はありません。これが最後の朝鮮ビエの製粉になるのかなあ・・・と思いながらの作業でした。
◆今までのひとりごと 2/1/◆
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